心はいつも新しく
30年以上も前に訪れた花巻。
羅須地人協会に行ってみた。
現在の花巻農業高校の敷地の中にある。
これを見た時は感激した。
消えてしまわないように、生徒達が上書きし続けているそうだ。
そして確かこれが高村山荘(だと思う)。
なんかよくわからないけど。
高村山荘に行った帰り、廃校になった小学校を郷土資料館のようなものとして公開しているところがあったので入ってみた。
お爺さんが一人、耳が遠いのか大音量でテレビを見ていた。
他に見学に来ている人はいなかったので、一緒に歩いて親切にいろいろ教えてくれて。
高村光太郎の話もしてくれた。
「高村先生はいつも、お天道さまに感謝、と言っておられた」
「心はいつも新しく、と言っておられた」
もっとお話を聞きたかったくれどバスの時間が気になって。
次のバスを逃したら半日待たなければならないようなところだったから。
バスが見えてきたので、お礼を言って走り出した私に
「またいらっしゃい」と、声をかけてくれた。
「はーい」と答えて走った!間に合った!
資料館のそばを通ったときにバスの窓からのぞきこんでみると、お爺さんは私が入って行った時と同じようにテレビに向かって座り、テレビの音も聞こえてきた。
「はーい」と返事をしたもののもちろんそれから一度も行っていない。
お爺さんは私のことなどすぐに忘れてしまったと思うけれど、私は何年たっても時々思い出しては、また行きたかったなあ、約束守らなかったなあ、という気持ちになってしまう。
お爺さんから聞いた、高村光太郎の「心はいつも新しく」。大好きですごく大事にしている言葉だ。